Otoms 新作「The shape of silent fantasy」について

そもそもは、今年の2月辺りに雪が降ったときにノルマンディでの仕事に向かう電車の窓から見えた雪景色が発端なの。
それは片田舎な感じで、平野の先に林があったり、ちょっとした住宅地があったり、それらが遠くまで見渡せたり、ど真ん中を突っ切ったり…って感じなわけ。

それらをボ〜っと見つつ、雪が積もった林の中を舞台にした動物や妖精や魔法使いなんかが出てきちゃうようなメルヘンチックな話を想像したりとか…住宅街を舞台にしたオッサン3人組が街角で酔っ払って大騒ぎしてるコミカルな話とか…のようなものを想像してた。
単純にあの林の向こうには何があるんだろう?とかこの街の向こうには何が有るんだろう?どんな人たちがいるんだろう?とかもね。

見えて無い世界や聴こえてない世界に想いを馳せる…って、簡単に言えば想像するって事なんだけど、そういう時間はいつでも特別な内的感覚をあたえてくれるんだよね。

その感覚は、遠くのまだ見たことも聞いたことも無い世界の呼び声のようであり、それによって何らかの「物語の予感」の、ようなものを感じるんだ。

人間て昔からそうやって自分の理解の範疇を越えた事象を捉えてきた様に思うし、それがある種のファンタジーというモノを産んできたのかもなぁ…って思う。

今回はそういう感覚を凝縮させたモノを作りたかったのです。